病院や商業施設などの非常用発電設備は、通常動かすことのない設備が災害時に正常に動作するかどうかを確認するために、メンテナンスの一環として「負荷試験」を行います。実際の発電設備に負荷をかけるため、負荷試験車を接続して行うことで、他の設備を停電させることなく試験が行えると、多様な業種からの需要があります。
以前は、明電エンジニアリングが所有する負荷試験車は低圧のみで、高圧発電設備には対応できませんでした。消防法改正により年1回の負荷試験が義務化されたことや、電力会社の移動電源車の普及により、高圧発電機の負荷試験の需要が今後増加することが考えられるため、中部支社の発案で高圧負荷試験車を製作しました。

技術部 営業技術課 課長
樋口徳久
Norihisa Higuchi

技術部 プラント課 技師
西本 登
Noboru Nishimoto
明電エンジニアリングとしては初導入だったこともあり、車両や機器、業者の選定に苦労しましたが、普段から点検作業などをお願いしている協力会社の全面的バックアップにより、なんとか形にすることができました。外部電源供給回路を追加するなど、より良いサービスを提供するべく常に設備を改修しています。
他社製の非常用発電設備の点検も可能で、50・60Hz 共用のため、今後は全国へ展開していく予定です。いざというとき「非常用発電設備が稼働しない」というトラブルを防ぐため、技術・営業が一体となり負荷試験の必要性をアピールし、さらなる受注拡大と品質向上に努めます。

高圧負荷試験を実行中

試験の際は上部の扉を開放して熱を逃がします