半導体製造分野向け機器

パルス電源

高精度で安定性に優れた瞬間的な高電圧、大電流のパルスパワーを高繰り返しで供給します。

特長

パルス電源とは、マイクロ秒やナノ秒という短時間の瞬間的な大電力を出力する装置です。当社のパルス電源は、コンデンサ充電器と、半導体スイッチ+磁気パルス圧縮回路方式(可飽和リアクトル)によるパルス発生回路で構成されており、高精度で安定的な高繰り返し運転が可能です。
また、出力パルス電圧を高精度で出力(ばらつきを当社従来比の40分の1に低減)、時間軸ゆらぎ(ジッタ)を極小で出力(当社従来比の55分の1に低減)できます。 エネルギー回生回路を設けることにより、装置効率を向上させます。

  • 数10kV以上の高電圧をナノ秒(ns)レベルの急峻な立ち上がりで供給
  • 高精度な出力パルス波形
  • 長寿命(長期間安定したパルス出力を供給)
  • 1,000台以上の納入実績

仕様一覧

パルス電源仕様

最大周波数~6kHz
出力電圧~30kV
平均電力15kW
パルス幅(※)100ns
外形寸法パルス発生ユニット:W650×H230×D520mm
充電器ユニット:W600×H380×D570mm
質量パルス発生ユニット、充電器ユニット ともに90kg
  1. パルス幅はC2=Cp、Cpを近接配置した場合の代表値

実験用パルス電源仕様

最大周波数~1kHz
出力電圧約30kV
平均電力約10W
パルス幅
(出力電圧立ち上がり時間)
約60ns
(※負荷により変わります。)
外形寸法W420×H300×D250mm
質量約11kg

添付資料「ニーズ調査(ご要求仕様)」はお問い合わせ頂く際に必要となる資料です。ピンクの枠内において、分かる範囲でご記入頂き、お問い合わせの際に当資料を添付ください。お問い合わせは下記のお問い合わせボタンをご利用ください。

新製品

実験用パルス電源を開発しました。

  • パルス発生ユニットと充電器ユニットを一体化し、質量を従来比9分の1に低減しました。
  • 直流電源を介し、AC100V電源からの電源供給が可能です。
  • 数十ナノ(ns)の急峻な立ち上がりで供給します。

用途・ソリューション

現在、プラズマ応用機器の駆動電源として、パルス電源が幅広く利用されています。プラズマを利用した応用例としては、プラズマからの放射光や電子・イオン等の荷電粒子を対象物に作用させる各プロセス、パルスアーク放電による衝撃波の発生を利用した殺菌や水処理、レーザ発振、排気ガス浄化、オゾン生成、さらに高密度プラズマ放射による極端紫外線(EUV)光源などがあります。

当社のパルス電源は、エキシマレーザ、EUV光源、アオコ増殖防止装置を始めとした多種多様な電源として活躍しており、これらには、出力パルス幅:100ns以下、繰り返し周波数:20kHz、出力電圧:120kVなどそれぞれの特長があります。
お客様のご要望にあわせた最適な電源をご提案します。

エキシマレーザ

紫外域の波長(KrF:248nm、ArF:193nmなど)で発振する大出力高効率レーザであり、半導体リソグラフィに使われています。エキシマレーザではレーザガスを瞬間的に励起する必要があり、極めて短パルスで出力できる電源が必要となっています。
<写真:エキシマレーザ外観>
ギガフォトン(株)様のエキシマレーザ装置の外観です。装置内に当社のパルス電源が2台搭載されています。

使われているパルス電源の特長

  • 繰り返し周波数:6kHz以下
  • 出力電圧:-30kV以下
  • 出力平均電力:15kW級
  • 出力パルス幅:100ns以下

EUV光源用パルス電源

次世代の最有力リソグラフィ光源として、波長13.5nmの極端紫外線EUV(Extreme Ultraviolet)の研究開発が行われています。当社のパルス電源は放電を用いてEUVを発生させるDPP(Discharge Produced Plasma)方式の研究に使われています。EUV光源は、更なる高出力化が求められており、パルス電源にも高出力化が求められています。
当社は10kHzで動作できるパルス電源を2台で並列交互運転することにより、最大で20kHzの繰り返し運転ができるパルス電源を開発し、NEDO委託研究プロジェクト「極端紫外線(EUV)露光システムの基盤技術開発」の受託先である技術研究組合EUVA様に納入しました。
<写真(上):EUVA様の実験用EUV光源システム>
<写真(中):パルス発生ユニット>
<写真(下):充電器>

使われているパルス電源の特長

  • 繰り返し周波数:20kHz以下
  • 出力電圧:数kV以下
  • 出力平均電力:200kW
  • 出力パルス幅:5µs

アオコ増殖防止装置用パルス電源

パルスパワーを用いると、気体中に限らず水中でも放電を起こすことができます。水中パルス放電の応用例として、アオコ増殖防止装置があります。アオコは夏季に湖沼や池などで大量発生して水質汚染を引き起こすため、水中パルス放電による衝撃波でアオコ細胞内部の気泡を破壊して処理します。水中で放電を発生させるためには、急峻な電圧立ち上がりが必要であり、且つ処理量を増やすために大きな放電エネルギーが必要です。
当社は水上で安定的な高電圧・大電流のパルスパワーを出力することができるパルス電源を開発し、(株)荏原製作所様に納入しました。
<写真:アオコ増殖防止装置外観>
(株)荏原製作所様のアオコ増殖防止装置の外観です。処理船中央付近に当社のパルス電源が2台搭載されています。

使われているパルス電源の特長

  • 繰り返し周波数:40Hz以下
  • 出力電圧:120kV以下
  • 出力エネルギー:40J/pulse
  • 出力パルス幅:2µs

システム構成

パルスパワーシステムの主回路ブロック図例

パルスパワーシステム構成例

制御系を含めたパルスパワーシステムの構成例。コントローラ、充電器ユニット、パルス発生ユニット、負荷の4ユニットで構成されます。電源は三相交流400Vから得て、充電器ユニットで2.5kV、パルス発生ユニットで-30kVのパルスを出力します。パルス電源の電圧検出や負荷放電管の観測系(センサなど)を使って制御することで安定したパルスパワー出力とパルス放電が得られます。

主回路構成例

充電器ユニット

商用電力を直流に変換し、初段コンデンサを充電します。

パルス発生ユニット

充電されたエネルギーをIGBTでパルス状に変換し、昇圧及び磁気パルス圧縮回路でパルス圧縮した高電圧短パルスを負荷へ出力します。

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