世界動向・規制
COP28にて化石燃料
「脱却を進める」で合意
第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)では、対策強化に向けた交渉で化石燃料が最大の焦点となり、欧米の先進国や島しょ国などが「段階的な廃止」を強く求めたのに対し、産油国などが反対し協議が難航していましたが、「化石燃料からの脱却を進める」などの合意文書が採択されました。
COP28での各国合意内容
- ・化石燃料からの脱却を進め、この重要な10年間で行動を加速させる
- ・2030年までに世界全体の再生可能エネルギーの発電容量を3倍にし、エネルギー効率の改善率を世界平均で2倍にする
- ・排出削減対策がとられていない石炭火力発電の段階的な削減に向けた努力を加速する
- ・効率的でない化石燃料に対する補助金について、段階的な廃止をできるだけ早く行う
直接排出である
Scope1(化石燃料)の脱却を
加速
Scope1とは、企業や組織が直接的に排出する温室効果ガスのことを指します。具体的には、燃料の燃焼、工業プロセス、廃棄物処理、農業活動などが該当します。企業や組織は、自らの活動に伴うScope1の排出量を算定し、報告することが求められています。
SF6ガスが使用禁止に
SF6ガスとは正式な名称を「六フッ化硫黄ガス」といい、フロンガスの代わりにオゾン層を破壊しない代替フロンとして開発されました。
1960年代から電気および電子機器の分野で優れた絶縁性能や消弧性能が認められるとともに、化学的に安定度が高く無毒、無臭、無色、不燃性、人体に対しても安全なため、工業・医療などにも利用されてきました。
オゾン層を直接破壊しないことからフロンガスの代わりに利用されてきましたが、のちに地球温暖化に強力な影響があることがわかりました。
日本政府は2050年
カーボンニュートラルを
宣言
脱炭素社会の構築は人類共通の目標でもあり、脱炭素に向けた温室効果ガス(GHG)削減を目指し、日本政府は2050年カーボンニュートラルを宣言。
製造業としても、サプライチェーン全体の協働が求められており、2050年には製品の調達、製造、輸送、使用、廃棄の全段階で温室効果ガス排出ゼロとなるよう、 再生可能エネルギーへのシフトや、イノベーション(技術革新)を推進していく必要があります。
【参考】明電グループの
2050年カーボンニュートラル
への取り組み
上記の目標はSBT(Science Based Targets)イニシアチブ※1より、パリ協定※2との整合性を認められ、SBT認定を取得しています。
- ※1 SBTイニシアチブ:国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界自然保護基金(WWF)、CDP、世界資源研究所(WRI)による国際的イニシアチブ。
- ※2 パリ協定:2015年にCOP21で採決された世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃より十分低く抑え、1.5℃に抑える努力をする国際的な枠組み。