人工知能で、明電舎の製品の高精度化へ。
明電舎は1980年代の人工知能の創成期から人工知能の研究に取り組んでおり、2016年には知能情報研究部を設立して人工知能の産業応用に関する研究開発を展開しています。日進月歩で進歩する人工知能の最新研究の潮流を捉えるとともに、明電舎の製品やサービスに対して新しく人工知能に組み込み、製品の自動化や高精度化に取り組んでいます。また、設備診断の簡易化を目的としたモデリング技術の確立や画像計測製品の開発も行っています。
中でも私は、画像処理製品の開発を担当。現在はエレベータに用いるワイヤーロープの劣化状態を画像から計測する製品の開発に携わっています。業務範囲は、計測に用いるカメラや照明の設置位置等のハードウェアの検討から撮影画像に対する解析アルゴリズムの開発、さらにはお客様の設備へ訪問して行う実証実験まで多岐にわたります。また、製品開発の業務以外にも関連する工場や営業部門と開発日程の調整をしたり、開発者の立場としてお客様に技術説明するのも私の役割です。
お客様に使っていただける製品を生み出すことが目的であるため、研究部門だけで完結するのではなく、営業部門や工場部門とも連携しながら進める。ここに難しさがあり、醍醐味を感じるところでもあります。
大切にしているのは、
広い視野を持って開発に取り組むこと。
私は入社後1年間、研究開発本部に所属し、鉄道の送電線をカメラで検査する製品の試験作業を担当し、カメラや画像解析の基礎知識を身につける経験を積みました。2年目はICT統括本部 開発部に所属し、1年目の経験を活かして、制御盤等に付随するアナログデータの目盛り、警告灯の状態を画像計測するアルゴリズムの開発に関わり、画像計測の知識を深めました。そして現在の部署へ。2年間で蓄積した知識・技術を存分に発揮し、それまで以上に製品に近い立場で、研究から製品化までのプランニング、マネジメントまで含めた仕事に取り組んでいます。
そうした中、私が大切にしているのは、広い視野を持って開発に取り組むことです。製品開発の仕事では、工場や営業部門等の幅広い部門の方々と協力し、連携を取りながら一つの製品の完成を目指していく必要があります。しかし、開発時にはどうしても自身が担当する技術開発ばかりに注力しがち。そのため連携不足に陥らないよう、全体の状況や進捗を把握し、スムーズに連携できるよう心がけています。