製品における化学物質使用量の管理、
対策を行う。
安全環境管理部は、生産活動や製品に関わる電力消費量、二酸化炭素排出量、利用水量、化学物質種別および使用量などを調査し、その管理および対策を行う部署です。中でも私が主に担当しているのは、製品における化学物質の使用量が国内外の環境法令に遵法しているかどうかについての調査です。 調査結果は設計や開発部門へ報告し、これにより法令違反を犯している製品が市場に出ることを防いでいます。法令に違反しているもの、つまり環境に悪影響を与えるものが一度でも市場へ出てしまうと、当社のイメージダウンだけでなく、回収、再開発や部品代替の工数にかかる無駄なコストが発生してしまいます。 特に海外へ輸出する場合、ヨーロッパを中心にREACH規則やRoHS指令などの厳しい含有条件があります。なにより明電舎が販売しているものは変電設備など、大きな製品ばかりであり、その大きな製品が環境に悪影響のある化学物質を使ってしまうと、その分、広範囲に影響が出てしまいます。 それを私が食い止めているのだと思うと、とてもやりがいを感じます。
うれしいのは、
大きな製品の環境対策につながった時。
大学時代、水質環境浄化材料の研究を行なっていた私にとって、明電舎に入社後はほとんどがイチから勉強する日々。この業務を行うまで、表面塗装に関わる化学物質も、製品に組み込まれる主な金属も、海外法規制があることも知りませんでした。化学物質の知識があっても、その化学物質がどのような形態で製品に関わってくるのかは、
その製品に関わらない限り知りえません。製品に使われる一部品が、なんのために表面処理され、どのような工程で、どこに組み込まれるのかという製品知識や理解が一番必要だと思います。ただ、「この化学物質がこんなところで使われているとは!」という発見に出会うことができます。この楽しさは化学系ならではかもしれません。
中でも思い出深い出来事は、私が行った製品含有化学物質調査をきっかけに、とある部品が法令に遵守していないことが発覚し、開発や設計の方たちと一緒に対策を考え、頻繁に情報交換を行うようになったことです。少し言いすぎかもしれませんが、私の報告が一部の人たちの心を動かし、環境への意識が向上したのだと思うと、大変うれしく感じました。
小さな情報を見つめ、こつこつと積み上げた調査報告が、大きな製品の環境対策へつながり、顧客や地域の環境貢献へつながったと実感できた瞬間でした。