生産統括本部 安全環境管理部 主任(現在)
共生システム理工学類
共生システム理工学研究科修了 / 2017年入社
A.K.

A.K.

化学物質調査により、
製品が与える環境負荷を未然に防ぐ。

製品における化学物質使用量の管理、
対策を行う。

安全環境管理部は、生産活動や製品に関わる電力消費量、二酸化炭素排出量、利用水量、化学物質種別および使用量などを調査し、その管理および対策を行う部署です。中でも私が主に担当しているのは、製品における化学物質の使用量が国内外の環境法令に遵法しているかどうかについての調査です。 調査結果は設計や開発部門へ報告し、これにより法令違反を犯している製品が市場に出ることを防いでいます。法令に違反しているもの、つまり環境に悪影響を与えるものが一度でも市場へ出てしまうと、当社のイメージダウンだけでなく、回収、再開発や部品代替の工数にかかる無駄なコストが発生してしまいます。 特に海外へ輸出する場合、ヨーロッパを中心にREACH規則やRoHS指令などの厳しい含有条件があります。なにより明電舎が販売しているものは変電設備など、大きな製品ばかりであり、その大きな製品が環境に悪影響のある化学物質を使ってしまうと、その分、広範囲に影響が出てしまいます。 それを私が食い止めているのだと思うと、とてもやりがいを感じます。

うれしいのは、
大きな製品の環境対策につながった時。

大学時代、水質環境浄化材料の研究を行なっていた私にとって、明電舎に入社後はほとんどがイチから勉強する日々。この業務を行うまで、表面塗装に関わる化学物質も、製品に組み込まれる主な金属も、海外法規制があることも知りませんでした。化学物質の知識があっても、その化学物質がどのような形態で製品に関わってくるのかは、 その製品に関わらない限り知りえません。製品に使われる一部品が、なんのために表面処理され、どのような工程で、どこに組み込まれるのかという製品知識や理解が一番必要だと思います。ただ、「この化学物質がこんなところで使われているとは!」という発見に出会うことができます。この楽しさは化学系ならではかもしれません。
中でも思い出深い出来事は、私が行った製品含有化学物質調査をきっかけに、とある部品が法令に遵守していないことが発覚し、開発や設計の方たちと一緒に対策を考え、頻繁に情報交換を行うようになったことです。少し言いすぎかもしれませんが、私の報告が一部の人たちの心を動かし、環境への意識が向上したのだと思うと、大変うれしく感じました。 小さな情報を見つめ、こつこつと積み上げた調査報告が、大きな製品の環境対策へつながり、顧客や地域の環境貢献へつながったと実感できた瞬間でした。

現場から、SDGs達成に向けた環境貢献を推進していきたい。

私は今、この時世に環境戦略部に所属できていることを大変幸運に感じています。環境戦略部の業務は、世の中のニーズの一つといっても過言ではないからです。現在、SDGsという国連で定められた「持続可能な開発目標」の中にも環境に係わる目標が掲げられています。そして、これらの目標は2030年までに達成されなければなりません。その中に目標12「つくる責任、つかう責任」があげられています。 そのターゲットの一つが、「製品ライフサイクルを通じて化学物質やすべての廃棄物の環境に配慮した管理を達成し、大気、水、土壌への排出を大幅に削減することにより、ヒトの健康や環境への悪影響を最小限に留める」こと。環境汚染の問題だけでなく、消費者そして製造従事者の健康も守るため、危険な化学物質の管理は大変重要です。
今後は、2030年のSDGs達成に向けた環境貢献を意識し、各工場の製造や生産に関わる業務を行ってみたいです。しかし、製品に関わる部品や化学物質は実際に触っている人でないと分からないことが多々あります。製品のミクロな部分について理解を深めた上で、マクロな視点でも環境に貢献していけたらと思います。

メッセージ

例えば、専門が基礎研究系だったとしても、業種は製品の研究開発ばかりではありません。それは、研究・開発・設計・プラントの全てに関わることができる明電舎だから気づけたことであったと思います。皆さんと一緒に一つの街をつくり、まもり、支えることを楽しみにしています。

※内容は取材当時のものです。