中期経営計画

当社グループは「中期経営計画2024」(2021年度~2024年度)を策定しました。
新中期経営計画『中期経営計画2024』(以下、中計2024)は「ジャンプ」のフェーズとして、事業拡大と利益率の向上を両立させる『質の高い』成長の実現を目指していきます。

1 新中期経営計画の位置づけと考え方

1.1 位置づけ

新中期経営計画の位置づけ

『V120』において成長させる事業の方向性が明確化し、『中期経営計画2020』では、着実な業績拡大と成長に向けた投資を両立させました。新中期経営計画『中期経営計画2024』(以下、中計2024)は「ジャンプ」のフェーズとして、事業拡大と利益率の向上を両立させる『質の高い』成長の実現を目指していきます。また、時代の大きな変化を捉えるため、両利きの経営を推進させると共に、ESGを経営の軸に据え、持続的な成長が実現できる経営基盤を構築してまいります。

1.2 期間

期間は4年間と定め、初年度となる2021年度は、コロナ禍から回復しつつ2022年度から2024年度までの3か年の具体的な戦略を詰めるフェーズと位置付けておりました。コロナ禍に関しては、少しずつ明るい兆しが見えつつある一方、物価や賃金上昇、地政学リスクの高まり、急激な円安の進行など、当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化する中、22年4月に現下の経営環境に即した戦略とグループの数値目標アップデートを行ないました。

2 財務指標・非財務指標(2022年度にアップデート)

経営目標は、本中計期間中にはコロナ禍の影響は収束し、2024年度には経済活動が正常化している前提としています。財務指標については、2022年度のアップデートにあたっても、2021年度時点で発表した全社目標値から変更しておりません。また、サステナビリティ(ESG)の観点を中心に、以下のとおりKPIを策定し、新たに開示しました。

財務指標

2021年度実績2024年度経営目標
受注高2,596億円3,000億円
売上高2,550億円3,000億円
営業利益94億円180億円
経常利益102億円175億円
当期純利益67億円120億円
2021年度実績2024年度経営目標
営業利益率3.7%6.0%
ROE6.8%10.0%
ROIC4.5%8.0%
設備投資4か年累計 600億円(うち成長投資:200億円)
(2021実:107億円)
研究開発費4か年累計 400億円
(2021実:98億円)
2021年度実績2024年度経営目標
自己資本額1,019億円2025年3月末 1,200億円
連結配当性向安定的に30%レベル(2021年度:33.7%)

非財務指標

目標値
事業活動に伴うGHGの排出:
Scope1,2(2019年度比)
2024年度 6%削減
2030年度 30%削減
製品使用段階のGHGの排出:
Scope3(2019年度比)
2024年度 6%削減
2030年度 15%削減
2040年「RE100」、2050年「カーボンニュートラル達成」
女性役員クラス(プロパー)2024年度 1名以上
2030年度 3名以上

(うち、執行役員1名)
外国人現地法人社長2024年度 3名以上
2030年度 5名以上

(うち、執行役員1名)
従業員向けNPS®︎(2021年度比)2024年度 10%改善
新規事業売上高 50億円
(青字は前年5月発表時からの変更点)

3 グループ戦略(2022年度にアップデート)

電力インフラグループ

2030年に目指す姿

安定的な電力供給、再エネ事業を展開する
「サステナビリティ・パートナー」

2024年度経営目標

2024年度経営目標前回発表2021年度実績
受注高595億円580億円558億円
売上高575億円555億円523億円
営業利益13億円20億円▲18億円

主要戦略

  • 電力製品のものづくり力強化、再生可能エネルギー関連製品の領域拡大
  • 国内における再生可能エネルギービジネスの展開加速(風力・中小水力)
  • 海外重要拠点(印・越・米・独)の収益力向上、ASEAN・中国拠点の一部再編
  • サービス強化による付加価値向上(ICT活用による保守高度化、O&M事業推進)

社会システムグループ

2030年に目指す姿

「誠実さと責任感」を大切にし、人と技術と
デジタル化で持続的に社会インフラを支える

2024年度経営目標

2024年度経営目標前回発表2021年度実績
受注高950億円958億円955億円
売上高946億円928億円947億円
営業利益61億円56億円61億円

主要戦略

  • 水クラウドを使った水道・下水道事業者向けのソリューション・デザインの提供
  • 効率的な経営リソースの活用や官民パートナーシップの推進
  • 環境配慮型製品・サービス(上下水・電鉄)の提供
  • 海外プラントや大型電鉄プロジェクトのマネジメント強化

フィールドエンジニアリンググループ

2030年に目指す姿

DX活用によりメンテナンスイノベーションを実現し、顧客への新しいソリューションと体験価値の向上を通じて安全・安心な社会インフラの維持に貢献する

2024年度経営目標

2024年度経営目標前回発表2021年度実績
受注高420億円420億円418億円
売上高416億円410億円395億円
営業利益606059

主要戦略

  • ワンストップサービスの更なる拡大
  • 省エネ・GHG排出削減に重点をおいたソリューションサービスの拡大
  • 半導体製造装置向けサービスの事業拡大(2024年度受注目標 32億円)
  • 技術者の早期戦力化(年30名増員を計画、地域に根差したサービス提供、他)

産業電子モビリティグループ

2030年に目指す姿

変化に強いモノづくり力の提供を通じて電動化・デジタル化による「カーボンニュートラル」社会の実現と「グリーンモビリティ」の普及に貢献する

2024年度経営目標

2024年度経営目標前回発表2021年度実績
受注高970億円1,000億円653億円
売上高960億円1,000億円638億円
営業利益71億円81億円▲2億円

主要戦略

  • 電動力ソリューション:省エネと高効率化の推進、パートナーシップ戦略
  • モビリティT&S:電動車両向け試験装置の提案と保守サービス強化
  • 電子機器:市場ニーズに適応した製品の提供による顧客の囲い込み

OEM販売生産戦略への追従に苦慮。体制見直ししつつ、売上を確保していく方針。

【EV事業の重点実施事項】
  • ノミネーション確保:2025年度以降の負荷取り込みと、将来に向けた新製品開発
  • 生産能力の向上・強化:中国における生産キャパシティの整備
  • 新規市場・顧客開拓:安定した負荷獲得のための新規市場開拓と顧客の獲得
売上高推移

本ページに掲載している数値情報(経営目標含む)等は、2022年5月13日に発表した「中期経営計画2024 アップデート」に基づく内容となります。
最新の経営目標などの数値については、「IRライブラリー」をご参照ください。

4 サステナビリティ(ESG) 経営と両利きの経営の推進

4.1 サステナビリティ経営

当社は1897年の創業以来、時代と生活者のニーズに応える技術で様々な製品やサービスを創出してきました。そして時代が大きく変化している現在において、主体的に新しい社会づくりに挑める魅力的な企業でありたいと考えております。それがありたい姿・ビジョンに込めた思いです。

2030年の目指す社会を想定し、「ありたい姿・ビジョン」を設定。今年度にかけて、バックキャストから取り組むべき事項を逆算し、ESG経営を軸とした経営・事業戦略に深化させる。

事業活動を通じて、その思いを実現させるために注力する領域を4つ定めました。これらは当社の強みが最も活かされる事業領域です。そして、当社のDNAを大切にし、事業を進めていく上で大事にしたい4つ価値観「持続可能性」「多様性」「誠実さと責任感」「未来志向」をもって、事業活動を推進してまいります。

4.2 両利きの経営

両利きの経営を推進する理由は、新しい価値の創出です。既存事業や成長事業の改善だけでなく、脱炭素社会やレジリエントな社会の構築に向けた新しい技術や製品の開発、新しいデジタル技術を活用した省人化・高効率化等に経営資源を投入してまいります。また、他社との共創を通じたイノベーションを実現させるため、パートナーシップにも積極的に取り組んでまいります。

5 資本政策(2022年度にアップデート)

当社グループでは、財務健全性を高めることを前提に、成長への投資と株主還元を実施してまいります。本中計において、2022年度から2024年度までの3か年の営業キャッシュフローは600億円から650億円になると想定しております。これを原資として、株主還元及び設備投資、財務基盤強化を実施していく方針です。

今後3か年累計の営業キャッシュフローは600億円から650億円になると想定。加えて資産の圧縮・有効活用を進め、投資・株主還元・財務強化を実施する方針。

財務戦略につきまして、24年度末に自己資本1,200億円、またネットD/Eレシオは0.25~0.30倍と考えております。投資戦略につきまして、通常投資と成長投資と合わせて2022年度から2024年度までの3か年で約500億円の設備投資を実施してまいります。株主還元につきましては、安定的な株式配当を行うことを前提に、配当性向30%を目安に配当金額を決定してまいります。