製品・サービス

セラミック平膜が長岡技術科学大学で「生活用水等を確保する技術の開発」実証実験に活用されます

2020年09月10日

株式会社明電舎(取締役社長 三井田 健/東京都品川区、以下明電舎)の水処理用セラミック平膜が、この度、国立大学法人長岡技術科学大学(学長 東 信彦/新潟県長岡市、以下長岡技術科学大学)が実施する「生活用水等を確保する技術の開発」の実証試験に活用されることとなりました。
本実証試験は、同校大学院の共通科目である「アイデア開発実践」の学びの場である「アイデア開発道場」(※1)において、雨水を高低差によって無電力で浄化可能とし、自立型の生活用水等を確保する「自立型雨水利用システム」技術を確立し、実用化を目指すものです。

 

「自立型雨水利用システム」とは

雨水を屋根面から集水し、高低差によって無電力で浄化可能な浄化装置で、災害時などの電力供給が困難な状況でも生活用水の確保が可能です。屋根面に降水した雨水は、貯留槽に蓄えた後に、スポンジ担体に微生物を生育させたバイオフィルターを通過し、雨水中の有機物、窒素化合物等を除去します。その後、重力差を利用しセラミック膜にてろ過を行い、生活利用可能なレベルの水質へ浄化いたします。本技術は、長岡技術科学大学が実用化に向け、アイデア開発道場での実証試験によって装置の最適化を行います。




セラミック平膜とは

実証試験に使用される明電舎の水処理用セラミック平膜は、汚水や排水の浄化に活用されるセラミック製のろ過フィルターで、有機膜などに比べ、長寿命で耐摩耗性があることが特長です。
2012年より同製品の販売を開始し、工業用排水処理などで国内外100か所以上の納入実績があります。
    
【左図:セラミック平膜 外観】
【右図:セラミック平膜による汚水ろ過のイメージ断面図】

● セラミック平膜には肉眼では視認できないほど細かい穴が無数に開いており、汚水がその穴を通り抜ける際に不純物がろ過されます。
● 厚さ6mmのセラミック平膜は中空構造となっており、内側の集水管を通して、きれいなろ過水が集められます。

セラミック平膜によるSDGsへの貢献

本実証試験の実施背景としては、SDGs(持続可能な開発目標)(※2 )のGoal6にも掲げられる「安全な水へのアクセス」という世界的な課題があります。
現在、世界中で22億人が安全に管理された飲料水へのアクセスできていないと報告されており(※3)
また、これらの地域においては電力の調達も困難であるため安全な飲料水や生活用水へのアクセスを実現するためには自立式の浄水プロセスの開発が必要不可欠です。
国内においても水資源関連施設の老朽化や水質悪化の発生リスク、災害時の水供給能力確保等への対応が強く求められています。
セラミック平膜を活用した水処理事業は、安全な水の提供や水資源の有効活用につながります。明電舎は、今後も社会に貢献するものづくりを追求し、持続可能な価値創造を実現するとともに、SDGsを含めた社会的課題の解決へ取り組んでまいります。


■明電舎セラミック平膜ホームページ:
https://www.meidensha.co.jp/products/water/prod_06/prod_06_01/

■長岡技術科学大学「アイデア開発道場」ホームページ:
https://idea-do.ac.jp/


※1 2019年にSDGsの達成や生活を豊かにする製品のアイデアを生み出し、自立成長する学生の輩出を目的に設立された同校大学院の共通科目である「アイデア開発実践」の学びの場。企業人材の受け入れも行い、学生らと共同で新製品の開発をする「委託研究」と、企業人材が学生とともに授業を受けてアイデア創出力を高める「人材育成」の二つのメニューを用意している。
※2 Sustainable Development Goalsの略で2015年に国連サミットで採択された2016 年から2030年までの15年間で国際社会が取り組むべき課題を定めた世界共通の目標。
※3 WHO/UNISEF, Progress on household drinking water, sanitation and hygiene 2000-2017.

本件及び取材に関するお問い合わせ先

株式会社 明電舎  広報・IR部 広報・IR課
電話 03-6420-8100 



セラミック平膜が長岡技術科学大学で「生活用水等を確保する技術の開発」実証実験に活用されます(PDF:882KB)