経営・財務
国内電機メーカー初の取組み
「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結しました
2021年09月30日
株式会社明電舎(取締役社長:三井田 健/東京都品川区、以下明電舎)は、この度、三井住友信託銀行株式会社(取締役社長:大山 一也/東京都千代田区)と「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(資金使途を特定しない事業会社向け融資タイプ)」の融資契約(以下、「本契約」)を締結しました。本契約は、明電舎が国内の電機メーカーで初の取組みとなります。
ポジティブ・インパクト・ファイナンスは、国連環境計画・金融イニシアティブ(以下、「UNEP FI」)(※1)が提唱するポジティブ・インパクト金融原則(※2)に基づき、企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響とネガティブな影響)を包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資です。企業の活動、製品、サービスによるSDGs達成への貢献度合いを評価指標として活用し、開示情報に基づきモニタリングが行われます。なお、金融機関による評価については、透明性及び客観性を担保するために第三者機関として株式会社日本格付研究所より第三者意見(※3)を取得しています。
本件締結にあたり、特にSDGsの目標達成にインパクトを与える活動として、以下のテーマについて定性的、定量的に評価されています。
テーマ | 内容 | 目標と指標(KPI) | SDGs |
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気候変動対策(事業活動を通じた環境負荷低減) | 気候変動対策を通じ、温室効果ガスを削減する | (目標) 2030 年度までに事業活動に伴う排出(Scope1+2)30%削減(2019 年度対比) (指標(KPI )) 温室効果ガス排出量(Scope1+2)(kt-CO2) | |
気候変動対策(製品を通じた環境負荷低減) | 製品の提供を通じた環境負荷低減 | (a)製品使用段階の温室効果ガス排出量削減 (目標) 2030年までに製品使用段階の排出(Scope3カテゴリ11)15%削減(2019年度対比) (指標(KPI)) 製品による温室効果ガス排出削減量(kt-CO2) (b)EV製品の提供を通じた温室効果ガス排出量削減(Scope3カテゴリ11) (目標) EV車と同等グレードのガソリン車をEV車に代替した場合の温室効果ガス排出量を、2024年度170万トン-CO2削減、2030年度870万トン-CO2削減 (指標(KPI)) 温室効果ガス排出削減量(万トン-CO2) (c)SF6レス製品の提供を通じたSF6使用量削減 (目標) SF6レス製品の拡大による世の中のSF6使用量を削減 (指標(KPI)) SF6使用量の削減量(kg) | |
社会的課題の解決への貢献 | (a)製品の提供を通じたインフラへの貢献 (b)電力会社への製品供給を通じた有事電力供給貢献 | (a)-1.シンガポールの電力網構築への貢献 (目標) シンガポール新設変電所向けの変圧器納入を通じて、2021~2024年度(4年間)で一定量の電力供給に貢献する (指標(KPI)) シンガポール新設変電所への電力設備供給量(kVA) (a)-2. 電力設備納入を通じた交通インフラへの貢献 (目標) 変電機器等の納入を通じ、2021~2024年度(4年間)の累計鉄道距離を、2016~2020年度(5年間)の1.3倍に伸長する (指標(KPI)) 鉄道の新設・延伸による累計鉄道距離の伸長率(倍) (b)電力会社への製品供給を通じた有事電力供給 (目標) 国内電力会社への移動電源車の納入を通じ、有事の電力供給に貢献する (指標(KPI)) 移動電源車の総容量(kVA) | |
循環型社会の形成 | (a)廃棄物総量の削減 (b)ゼロエミッションの推進 (c)化学物質の適正管理 | (a)廃棄物総量の削減 (目標) 2021年度までに主要4事業所における廃棄物総量4%削減(2017年度対比) (指標(KPI)) 廃棄物発生量(国内)(kt) (b)ゼロエミッションの推進 (目標) ゼロエミッションの拠点数及び体制維持 (指標(KPI)) ゼロエミッションの拠点数と活動実績 (c)化学物質の適正管理 (目標) 2021年度までにVOC排出量を80t以下に抑制 (指標(KPI)) VOC排出量(t) | |
サプライチェーン・マネジメント | グリーン調達率(同社グループ基準)の向上 | (目標) 2021年度におけるグリーン調達率90%以上 (指標(KPI)) グリーン調達率(%) | |
ダイバーシティ | 女性役員クラス(プロパー)の登用 | (目標) 女性役員クラス(プロパー)を1名以上とする(2024年度) (指標(KPI)) 女性役員クラス(プロパー)の人数(人) |
明電グループは、今年度開始した「中期経営計画2024」の中で、2030年の明電グループのありたい姿を「地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む」と定め、ESGを軸とする経営を推進することを発表いたしました。
今後も、事業戦略・企業活動を通じて社会課題の解決に貢献するため、SDGsの達成と持続可能な社会の実現に向けチャレンジを続けてまいります。
※1 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)
国連環境計画(UNEP)は、1972年に「人間環境宣言」及び「環境国際行動計画」の実行機関として設立された国連の補助機関です。UNEP FIは、UNEPと200以上の世界の金融機関による広範で緊密なパートナーシップであり、1992年の設立以来、金融機関、政策・規制当局と協調し、経済的発展とESG(環境・社会・企業統治)への配慮を統合した金融システムへの転換を進めています。
※2 ポジティブ・インパクト金融原則
UNEP FIが2017年1月に策定した、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた金融の枠組です。企業がSDGsの達成への貢献をKPIで開示し、銀行はそのプラスの影響を評価して資金提供を行うことにより、資金提供先企業によるプラスの影響の増大、マイナスの影響の低減の努力を導くものです。
融資を実行する銀行は、責任ある金融機関として、指標をモニタリングすることによって、インパクトが継続していることを確認します。
※3 株式会社日本格付研究所のウェブサイトをご参照ください。
https://www.jcr.co.jp/
本件及び取材に関するお問い合わせ先
株式会社 明電舎 コーポレートコミュニケーション推進部 広報・IR課
電話 03-6420-8100