明電グループの北米製造拠点 明電アメリカスイッチギヤ
SF6ガス不使用145kVタンク形真空遮断器を世界初納入
株式会社明電舎(取締役社長:三井田 健/東京都品川区、以下明電舎)のグループ会社であるMeiden America Switchgear, Inc.(以下、明電アメリカスイッチギヤ)が、このたび、米国の電力協同組合Golden Valley Electric Association※(以下、GVEA)へ145kVタンク形真空遮断器を納入しました。SF6ガスを用いない145kVタンク形真空遮断器の納入は世界初となります。
明電アメリカスイッチギヤは明電グループの変電事業において環境貢献製品を取り扱う米国製造拠点であり、北米での真空遮断器の製造・販売及び真空インタラプタの販売強化を図るとともに、海外変電事業の拡大を目指しています。
近年、北米では電力設備の老朽化による更新需要や、カーボンニュートラルに向けた社会の脱炭素化の加速により温室効果の高いSF6ガスの規制を強化しており、環境にやさしい真空遮断器の需要が増加傾向にあります。そのような背景のもと、明電舎はCO2の23,500倍の温室効果を持つSF6ガスを全く使用しない72kV級タンク形真空遮断器(以下、72kV VCB)を2004年に国内市場へ、また、2007年に米国市場へそれぞれ投入しており、合計2500台以上の納入実績があります。更に2020年には今回出荷した145kVタンク形真空遮断器の北米での販売を開始しました。
SF6ガスは低温環境下では液化しやすいため、寒冷地での使用にはタンクヒーターを用いる必要がありますが、145kVタンク形真空遮断器はSF6ガス不使用のため、ヒーターでの加熱が必要なく、ライフサイクルコストを削減できます。
■145kVタンク形真空遮断器の特長
・SF6ガスを全く使用しないため、地球環境にやさしい。よって、機器廃棄時のガス回収作業が不要であり、ライフサイクルコスト低減に寄与。
・乾燥空気は周囲温度-50℃でも液化しないため、寒冷地においても液化防止のヒーターが不要。
・電気的に長寿命。内部点検不要であるため、メンテナンスコストを大幅に削減可能。
・一体輸送可能であるため、現地据え付けが容易。
・外被部材にアルミニウムを使用しているため、渦電流損失が極めて小さい。また、メンテナンス時の補修塗装が不要。
145kVタンク形真空遮断器
明電アメリカスイッチギヤ
明電グループは2021年4月から開始した「中期経営計画2024」の中で、ESG経営を軸とした事業展開を進めており、環境貢献製品・サービスによるカーボンニュートラルな社会の実現への貢献を掲げています。今後も、長年培ってきた独自技術を生かし、さらに需要の拡大が見込まれる北米で、市場ニーズに対応しながら変電事業を展開してまいります。
※Golden Valley Electric Association(GVEA)について
米国アラスカ州フェアバンクスに拠点を置く電力協同組合。アラスカ州内部の約15,000km2の範囲へ電力を供給している。
本件及び取材に関するお問い合わせ先
株式会社 明電舎 コーポレートコミュニケーション推進部 広報・IR課
電話 03-6420-8100