14,000をこえる変電設備、高速鉄道網(MRT)を走らせるための電力供給システム、そして水資源の有効利用に大きな期待が寄せられるセラミック平膜。この国の発展に欠かせないインフラを、ずっとつくり続けてきた。
独立当初、この国はまだ今日ほど近代的な発展を遂げていなかった。明電舎は、それ以前からシンガポールのインフラづくりに関わってきた。
人口の約80%が団地に暮らす社会。中央の貯水池と都心部を囲むように、円状に住宅地が広がり、西に工業地帯、東に空港が設けられた。
明電舎は、ニュートンサーカス変電所をはじめ、延べ14,000台の変圧器を納めている。都市開発を進めるために、電力網の整備が同時に進められた。
80年代には、MRTの建設がはじまる。都心部と住宅地を結ぶ南北線、工業地帯と空港を結ぶ東西線には、明電舎の電鉄用変電システムが使われている。
国土が狭く貯水能力が低いため、水資源の確保が重要な問題となっている。特に、工業排水の浄化と再利用には、大きな期待が寄せられている。
ジュロン水再生センターでは、有機膜よりも強度の高いセラミック平膜を使い、従来の処理では難しかった工業排水の再利用を実現している。
金融や貿易における東南アジアの要衝、観光でも多くの人が集まるこの国の発展に、日本と世界で培われたインフラ技術が役立ってきた。
国づくりは、インフラづくりから。インフラは未来の礎。時がたてば、歴史の一部になる。わたしたちがつくっているのは、そんな製品です。